宮島エコツアー ~宮島の森と海岸と塩性湿地の生物観察~

広島大学地理科学学会のエクスカーションとして、1127日に宮島の森と海岸と塩性湿地の生物観察をテーマに宮島エコツアーを実施致しました。

今回は、観光地化された厳島神社を中心とした地域だけでなく、神の島宮島全体を理解し、歴史文化と共に残されてきた自然環境の保全と利用について考えて頂くため、以下のプログラムで行いました。

 

   船を使って宮島を一周するエコツアー体験。

   船でしか入れない場所に上陸し、潮間帯や塩性湿地の生物観察や陸地側の自然観察、漂着ごみ観察、簡単なトレッキングなどを体験。

 

参加された方は、20代から60代まで幅広い年齢層の方でした。

 

天候はあいにくの雨でしたが、これもエコツアーの醍醐味です。今回もマリーナホップから乗船し、広島湾を周遊しながら宮島へ向かいました。

 

宮島到着後は、早速蓬莱島にある杉之浦神社から七浦巡りをスタート。今回使用した船は背が低かったため、視線が水面と非常に近い位置、にあり、普段とは違う景観を楽しんでもらうことができ、興味深く、また、神聖な神社に手を合せながら七浦巡りを堪能されておりました。

 

七浦巡りの途中で腰細浦に上陸し、塩性湿地の観察。何故ここに塩性湿地が存在するのか?地形的、化学的な観点などから自然環境の変遷を感じて頂けたのではないでしょうか。

 

 潮間帯生物の観察では、そこに生息する潮間帯生物によって、水環境の診断ができます。初めは皆さん、潮間帯生物を見つけるのに一苦労されておりましたが、時間とともに慣れ、多くの種を確認できたかと思います。

塩性湿地見学

潮間帯生物観察


 

 

 2番目の上陸ポイントは、青海苔浦です。青海苔浦では、干潟や海岸性植物の観察やトレッキングを行いました。晩秋であり、気温も低いため、残念ながらハクセンシオマネキを確認することはできませんでしたが、その生息環境をじっくり観察して頂けたかと思います。また、トレッキング。宮島を訪れても行くことがないコースでしたので、非常に満足されておりました。

生物観察

トレッキング


 

 

 再び、七浦巡りに戻り、できる限り船を海岸に近づけながら、フィナーレは厳島神社の大鳥居。

船長の豆知識によると、大鳥居の前で反時計回りに3回回転すると御利益があるとのことで、船を3度旋回して頂きました。

 

 

今回も参加者の方々には満足して頂くことができたかと思います。

 

 

事務局 富田 智